サシモニ

サシ飲みがあるなら、サシモーニング(略称サシモニ)があっても良いじゃない

元銀座の傭兵が語る愛

今回のサシモニのお相手は青木さん。色んな人とお会いする中で、「この人マジおもしれぇな」と驚愕するレベルの人がいます。その中の1人が青木さんです。新卒から築地で働いたり、気付いたら選挙の手伝いしていたり。何がなんだかよく分からない人。サシモニで今まで聞いたことのない話を色々と伺かったのですが、築地の現場の話等々やっぱり予想通りとてもオモロい話ばかり。築地で働く人の話なんて普段なかなか聞けないですもんね。ぜひご一読ください!

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目立ちたがり屋

僕は周りの人から変わっていると言われることが多いのですが、この人も相当変わっています。サシモニした当時ダイエット中だったそうですが、サラダチキンと鯖ばかり食べているとのこと。鞄から普通に鯖出てきましたから(笑)ちなみに3週間で5Kg痩せたそうです。ところで、青木さんっていつからそんな感じなのでしょうか。「どこかで価値観が変わったんだけど、予備校時代かな。メチャクチャ頭良いとかで勝てない奴がいることに気付いたんだよね。張り合って勝てないなら、ニッチなところで誰もやってない場所で勝つことを考えるようになったね。」おぉ。なんだか真面目な話ですね。でも、どうしてそんな勝ちたい意識があったんでしょうか。「人と違うことをやって勝つためにはどうするかって考えちゃうんだよね。勝ちたいと思う根底は目立ちたがり屋だから。話題になりたいとかではなく、自分が価値を感じられるステージで目立ちたい。そのためには選択と集中をしないといけないから、新卒で就職するときも築地だった。」えっ。途中まで格好良いこと言っていて、最後の結びが意味分からんすね!!気になります!

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築地での生活

築地で就職したとのことですが、一体どんな経緯なのでしょうか。「ギャグがキッカケで就職したんだよね。「築地に面接行くの面白いじゃん。」という不純な動機だった。それが見学して色々と話を聞いたら面白い仕事だと思ってさ。魚の卸会社なんだけど商売の原点があったんだよ。「若い内から全部任せる。」と言われて、自分で好きな魚を仕入れて好きに売る。ドンドン自分のお客さんも作れる。気がついたら築地で4年くらい魚を売っていたね。」ギャグで面接に行って就職するなんて、そんな話があるんですね。どんな生活だったのでしょうか。「朝1時半に魚を担ぐ生活だから9時就寝だよね。当時は浦安に住んでいたから、ディズニーランドの花火が打ち上がると、早く寝なきゃと思っていたよ。」花火が寝る合図なんて、なんか洒落ていますね。どんな仕事をしていたのでしょうか。「誰も売らない魚を扱っていたね。卸業界の特性としてスーパーのバイヤーにみんな集まるんだよ。そこで戦っても仕方ないと思って、築地内で商売しているおっちゃんを相手にしていた。みんな売り込みにいかないの。相手にするの面倒だからさ。欠品したら「殺すぞ」と普通に言われる世界。憎まれ口を叩きながら商売しているからね。そういう怖いおっちゃんを相手にしていたら若いうちから基盤が出来た。瞬間湯沸し器みたいなおっちゃんでも、次の日には忘れているような人達。その人達と付き合っているのは楽しかったね。」ここでもニッチな方向に攻めていったのですね。商売相手もニッチなおっちゃん相手か。学びになるなぁ。

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卸売業

築地で仕事をして学びになったことを教えてもらえますか。「マーケティングの基本が培われたことかな。同じ商品に対してあるバイヤーがメッチャ売れると言っても、別の人は全然売れないと言うこともある。店舗を見に行くと置かれる場所で売れ方が違ったりもする。結果の裏には原因があることに気付いていったね。「このおっさんだけが売れているのが不思議だなぁ。」と思ったりすると、そのやり方を他に持っていけば良いと考えるようになったよ。」なるほど。観察してドンドン試して自分のものにしていったのですね。そもそも卸売業ってどんな世界なのでしょうか。「卸売業は5.5~6%の利益率。高い商材だと3%の世界。会社のノルマで管理されていたのは売上高だね。」「頻繁に扱ったのはB級品。味は変わらず美味しいけど形が悪いものとかね。実はメーカーからすると早く売りたい商品なんだよ。ネットワークを作って、B級品をガンガン買ったね。色の悪い金目鯛は煮付けにすれば分からない。味は変わらないわけだから、お店としても安い商品を高く売れるから喜ばれるんだよ。」なんか水産業のリアル話っぽくなってきましたね。興味津々です!!

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海外ルートを作る

卸売業の実態。活気ある話で面白いのですが、印象に残っている仕事ってなにがありますか。「よく扱っていたのはアサバガレイ。船にある魚を丸ごと買って加工屋に流していたよ。アサバガレイは何枚という単位で5Kg毎に発泡スチロールに入れて売るんだけど16枚くらいが一番売れるね。全てのサイズ毎にそれぞれ売り先をつけて、月に60t扱っていたよ。自分が買い付けた魚が毎日ドンドン全国に運ばれていくのは見ていて楽しかったね。」60tってとんでもない量ですね。20代半ばでその経験はかなり特異です。他にどんなエピソードがありますか。「塩釜と石巻にアサバガレイの作り方を学びに行って、中国の工場でその通りに作れるルートを開拓したことかな。ロシアのアサバガレイを中国に送って、それを日本に持ち込む。純粋にモノを売るのが面白かったね。」海外ルートを作っていたのか。面白いなぁ。「営業は圧倒的に量。どれだけの人と会うか。自分が売れる人間じゃないと買ってくれない。色々動きまわって仲良くなって商売をする。」「双方のコミュニケーションが大事だよね。水産業の良いのは人の繋がりで商売するとこ。口約束で2,000万円とか動く世界だから、一度はしごを外したら噂が広まっておしまい。アナログなんだけど、言葉の重さを感じたね。」口約束で2,000万円の世界か。ホント業界が変わるだけで、世界が違いますよね。

 

※アサバガレイ

新たな旅立ち

話を聞いていると水産業面白そうなのですが、その後どのような転機があったのでしょうか。「仕事が終わった後にBARとかに行きたい等のプライベートの部分と、仕事面ではマーケティングの仕事を極めたいと思ってやめたんだ。築地の仕事はメチャメチャ楽しかったんだけど「今だから楽しいのでは」という怖さがあった。可愛がられたり、朝から動けるのも若いから出来ていることで、永続的に出来るかは分からない。そんな時に築地の移転問題もあって、ここで動こうと思ったんだ。」築地が移転する前に自分が移転したんですね。確かに20代だったら色々経験もしたくなりますよね。その後はどのような道に進んだのでしょうか。「ビジネススクールに行って、一般の仕事を学ぶところから始めたね。会社を辞めてプラプラしているときに、「お前暇そうだから。」と言われて、選挙の手伝いをしたこともあった。コンサル出身の人が多かったから、全然違う仕事の進め方が学びになったよ。そのまま選挙で出会ったと一緒に仕事をして、一年くらいで辞めて今の会社に入ったんだ。」確かに全然違う世界の人達と付き合うことで、新たなやり方にも気付くし、色々見えるものってあります。築地とコンサルってギャップも凄い分、学びも大きいのでしょうね。

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銀座の傭兵

青木さんって学生時代は何をやっていたのでしょうか。「銀座の高級クラブで黒服のバイトをしていたよ。タバコを一本吸っただけで灰皿交換するような店。2~3年やっていたかな。」「偉い人ばっかり来る店だったけど、学生だったから時間はあるから3店舗くらい回っていた。それで銀座の傭兵と呼ばれていたんだ。」銀座の傭兵!!!(笑)そのアダ名面白すぎますね。銀座のクラブで黒服とか全く想像がつかないのですが、どんな世界なのでしょうか。「仲の良いおっさんにはチップをもらうこともあったよ。1人色んなことを教えてくれるお客さんがいてね。今になって思い返すと良いこと言葉を教えてくれた。「世の中には3種類の人間がいる。チャンスに気付かない。チャンスに気付いて生かせない。チャンスに気付いて生かせる人間の違いだ。」「分かりやすいチャンスは罠。ヤバイと思った時がチャンスだぞ。お金と人脈があるとチャンスを生かせる。だから今から積み上げておけ」「人脈についてもみんな勘違いしている。人脈は自分にとって有益な人ではなくて、自分が与えられる人のことを人脈っていうのだよ」「自分が行動して感謝してくれる人が何人いるかが人脈だぞ」こんな言葉を教えてくれたね。」流石銀座の高級クラブに来る社長の言葉。メチャメチャ良い言葉たちです。

幼少時代

掘れば掘るほど面白い青木さんなのですが、子供の頃はどんなお子さんだったのでしょうか。「新しい遊びやルールを考えるのが好きだったね。公園で集まってみんなで遊ぶときに、わけの分からない遊びをしていたよ。ブランコ乗ってどっちが遠くまで飛べるかとか、水風船で遊ぶときにもルールを作っていたね。」そういう新しい遊びを考える子供っていますよね。それって今にも結びついていたりするのですか。「今はマーケティングの会社に入ったけど、企画を考えるのが楽しいね。情報量が増えているから、情報を選択するときに機能的な情報は無視されるようになっている。面白いなと思われるモノだったり、コトの提案の方が響くよね。そういったものを提案したり、話題性を演出することが面白い。これも考え方かな。」そうか。子供時分から好きなやり方とか興味ってあまり変わらないんでしょうね。面白いものだなぁ。他にも今の仕事での面白い部分ってどこにあるのでしょうか。「ナショナルメーカーの人から最近言われたことだけど、「社内的にヤバイと思うものほど上手くいくことが多い。みんなが上手くいくと思うものほどコケることが多い。」って話があってさ。こういう話ワクワクするよね。チャレンジしている方が面白さを感じられるんだよね。」なるほど。やっぱりチャレンジですよね。ヤバイこと僕もやり続けていきたいです!

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目の前のことを愛する

青木さんって築地の卸のあんちゃんから現在は大手クライアントを相手にするマーケターになっているわけですが、振り返ってみてどう感じているのでしょうか。「今までの仕事を総括するとコミュニケーションの部分をやっていると思うね。伝えることをやっている。人に何かを伝えていくのが、プロダクトなのか、仕組みなのか、魚なのか分からないけどね。」「凝り性だからゼロヒャクみたいな感じで、やると決めたらゴリゴリやっちゃうタイプ。マーケティングは今後も離れていかないと思う。自分自身に壮大なビジョンは特にないけど、今、目の前にあることを愛してやりたいね。」今、目の前にあることを愛するか。良い言葉です。青木さんって友人の結婚式の映像を作ったり、人を喜ばせていることが多い気がしますが、何か意識していることってあるのでしょうか。「世のため人のためにやるマインドが強いわけではないよ。ただ、手間だけど誰かのためにやっていることは自分にとって楽しい時間が増えるし、それをやることでみんなが喜んでくれる。そこに喜びを感じるね。自分の思う労力以上に喜んでくれるから。」「自分が楽しいと思うことしかやってないよ。無茶ぶり対応も「面倒だと思うか、試されていると思うか」で違うでしょ。」確かにそうっすねぇ。意識の置き方の違いですもんね。「最近、承認欲求を満たしてくれるSNSとかが多いけど、本質的に豊かなのは質の部分。分かち合う関係だったり、何かを与えられる関係。決してイイねの数ではないよね。」そうっすね。SNSの関係も良いけど、質の部分を大切に考える。そうやって考えている青木さんはとっても素敵だし、僕もそうありたいと思います。銀座の傭兵最高!

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僕はこう思った

鯖を鞄から出すところから、過去の経歴までとってもチャーミングな青木さん。なんなんですかね。こういう人って。もう僕は大好きなのですが、とんでもなくキャラ立ちされているんですよ。飲みの席で喋っていても面白いし、こうやって過去の話を聞いても、やっぱり面白い。「この人の面白さは天性のものなのかな。」なんて自分とのギャップを感じたこともあったのですが、話を聞くとそれだけではない気がしますよね。例えば、予備校生時代に勝てない相手を目の当たりにしたことで、自分はニッチの方向で行こうと決意した話。それを実行に移して築地で働いた話等々。自分が勝てないと気付いたときに、勝てるフィールドを探し、且つそれを実行する。そういった経験を積み重ねたからこそ、今の青木さんの面白さがあるんだなという気がしました。銀座の黒服バイトにしても、普通そんなところでバイトしませんもんね。って考えると、誰だって自分の自分らしい道を選んでいけば、面白い人生を送ることができるってこと。「今、目の前のことを愛する」という名言も出ていましたが、自分の道を見出し、そしてその道を愛する人こそ、豊かな人生を送れるのではないでしょうか。自分の道が見つからないのであれば、青木さんのように目の前のことを愛することで新たな活路が見えるのかもしれません。今、この瞬間を愛することから始めます。

今日のサシモニ会場


えんどう豆 - 大塚駅前/喫茶店 [食べログ]

感想:青木さんご指定の喫茶店。僕の好きな純喫茶風でなかなかの居心地の良さでした。ココらへんは良さ気な昔ながらの喫茶店が多そうですね。色々と開拓してみたいです!

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サシモニお相手募集

サシモニのお相手を募集しています!!都内及び神奈川県内であれば、大体どこでも出向いています!!
「記事にされるのはちょっと。。。」という方も、ご安心ください。もちろん、ご本人の承諾があった場合のみ記事にしておりますので、普通にサシで朝食をご一緒するだけで問題なしです。

ちなみに、僕が話を聞いてばかりのような印象をお持ちかもしれませんが、喋る方も大好きなので、出来る限り持っているものは、全てお伝えする所存であります。

「菱木とサシモニしてしてみよう」と思った方は、是非お気軽に下記連絡先までご連絡ください!

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