サシモニ

サシ飲みがあるなら、サシモーニング(略称サシモニ)があっても良いじゃない

輪島塗に魅せられて。輪島塗の現状と今後について。

今回のお相手はとあるコミュニティでご一緒させていただいた野口さん。輪島塗の活性化プロジェクトをやっているという話を聞いて「なに!?輪島塗!?なんじゃそりゃ。」といった感じでサシモニのお願いをさせていただきました。伝統工芸を担う現場が厳しい現状は知っていたので、元々興味がある分野ですが、実状の話を聞けてとっても勉強になりました。誰もが一度は耳にしたことある輪島塗の現場の実態。せっかくなので、この機会に知ってみませんか?ぜひご一度ください!

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 輪島塗との出逢い

輪島塗の活性化プロジェクトに携わっている野口さん。果たして、どのような経緯で輪島塗と出合ったのでしょうか。「元々は丸の内朝大学の地域プロデューサークラスで、能登の活性化がテーマとしてあり、そこに輪島塗があったんです。自分自身がECに関わる仕事をしていることもあり、モノを活かした活性化が良いなと思ったんですよね。」通販サイトの運営をしている土壌があったから、物販が出来るコンテンツを選んだんですね。ちなみに、他にも選択肢はあったのでしょうか。「能登には輪島塗や日本酒だけはなく、炙り文化もありますよ。古民家がある地域もあったりします。能登半島は結構魅力的な場所なんですよ。」北陸って良いですよね。とにかく魚が美味しいイメージがありますが、他にも魅力がたくさんありそうです。あらためて、ゆっくりと行ってみたい場所ですね。

 

輪島塗の現状

さて、輪島塗の現状はどういった状況なのでしょうか。「バブル期には80億円あった売上が、ドンドン売上が下がっていて、携わる人も少なくなっている危機的状況ともいえますね。」輪島塗を日常的に購入する機会って殆どないですもんね。以前、伝統工芸品について調べたことがあるのですが、バブル期のピーク時から比べると10年前の時点で軒並み数字が半分以下に落ち込んでいるのです。売上も、企業数も、従業員の数も。たった20年くらいの出来事ですから、どれだけ悲惨な状況に置かれているか想像もつきますね。「現状を少しでも良くするため、地元の人達と一緒に輪島塗を盛り上げるプロジェクトをやっているんです。例えば、先ず輪島塗を知ってもらうために都内で能登の食材も用意して、輪島塗を使ったイベントを開催することもやっていますよ。」地道な活動かもしれませんが、先ずは知ってもらうところから始める必要ありますもんね。愚直な活動も大事です。

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輪島塗の魅力

さて、輪島塗の現状が厳しいということは分かったのですが、何が魅力なのでしょうか。正直漆器の素人としては、他の漆器との違い等なかなか分からないんですよね。「輪島塗は作る工程だけで50工程もあります。薄い木の器に布を巻いて、そこに漆を何層も重ねていくので、他の漆器よりも手間がかかっているんですよ。」50工程って凄すぎるな。今の時代複雑なものでも3Dプリンターを使ったりすれば1工程でモノが出来る時代に50工程とは。。。職人って凄いです。「正直なところ、手間がかかっても同じ器としての機能は他と変わらない。ただ、手がかかっている分だけ金額は高いです。普通の食器と輪島塗では、価格と機能的価値の違いに大きな乖離があります。ここをどう埋めるかがポイントですね。輪島塗の良さとして口当たりが良いのが特徴なのですが、なかなか伝えにくくもあります。」なるほどなぁ。確かにそうですね。口当たりの違いを伝えるとかって難しいですよね。輪島塗が50工程も手間がかかっていることも初めて知りましたが、そういった部分も伝える必要あるんでしょうね。職人技をどう評価するかって非常に難しいところですよね。

 

地域との結びつき

今までどうりにやっていても、このままでは衰退する一方なのかもしれません。だからこそ、新たな取り組み等行っているのでしょうか。「先ず、地元の人からは、外の人が意見を言ってもらえると、中の人が変わるのではないかと言われています。意識改革が必要な一面もあります。」そっか。意外と閉鎖的な部分もあるのでしょうか。「輪島塗を作るにあたって、新しい手法も出てきていますが、現場の職人によってはそれを受け入れられない人もいるんです。企業と一緒で既得権益を守る人がいるように、職人の世界でも逃げ切れるかどうかの境目で、関わる人の考え方の違いがありますね。」これぞ日本の現状とでも言えるような状況ですね。難しい問題です。「今変えようとしている人達が一番星になれば、他の人も追随してくるのではないでしょうか。将来的にはECサイトの運営や、地域のクラウドファンディングを利用して、ユーザーの意見を聞きながら新たな輪島塗の商品を作れたら良いなと思っています。」確かに、誰かが先頭を突っ走って、そこに多くの人が魅力を感じるようになれば、そこについていこうって行動するものなんですよね。ムーブメントってそのようにして起きるんだと考えています。新たな動き楽しみですね!

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輪島塗に関わる源泉

さて、野口さん自身の話も気になるところなのですが、どうして今回のように一見自分と関係のない輪島塗に携わるようになったのでしょうか。「 自分を高めていくには会社以外の要素も必要ではないかと考えているんです。仕事だけじゃないコミュニティを築きたいんですよね。そういう時代だとも思う。同じ会社に定年までいるかどうかも分からない世の中ですからね。」確かに、僕自身も色んなコミュニティに属しているのですが、会社以外の部分で学びを得る機会って実はメチャメチャあるんですよね。非常によく分かります。「地域を盛り上げていったり、社会貢献をしていきたいという想いがあります。いつか仕事に繋げられれば良いなとも思っていますよ。」「根底に色々なところと繋がっていないといけないという危機感があるのかもしれないですね。」なるほど。確かにライフラインって色んなものがあって、衣食住もそうだけど、人との繋がりも絶対にある。そう考えると、色々なところと繋がっているというのは大事なライフラインなのかもしれませんね。野口さんの今後、とっても楽しみです!!

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僕はこう思った

野口さんのお話。悪く言ってしまえば、最近流行りのソーシャル的な活動が好きと言えるのかもしれない。(ここでいうソーシャルはSNSとかではなく、社会的活動という意味ね)僕は周りにソーシャル的な活動をしている人も結構いるので、彼等を見ながら、また自分自身を含めて結構考えていたりします。「なぜ、みんなソーシャルな方向に進みたがるのだろうか」そう考えたときに、やはり僕達世代だからこその理由はあると実感しています。例えば、僕は今30歳なのですが、一度も日本中が好景気に浮かれるみたいな時代は実感したことがありません。文句を言わずにサラリーマンをしていれば、年収がうなぎ登りに上がっていくみたいな話もあまり聞きません。それにモノは生まれた時から溢れていた。どうしても欲しい白物家電や憧れの車や家なんて殆どないんですよね。そうなったときに、どう考えるか。やはり、一度きりの人生だからこそ、自分が出来ることをやりたい。出来るのであれば、多くの人に喜んでもらえることをやりたい。そう考える人がドンドン増えているからこそ、世の中にある課題解決に取り組んでいるのかもしれません。決して賃金に恵まれるわけではなかったとしても、不自由なく生活できて、やりたくないことを無理矢理やっているよりも、やりたいことが出来ることの方が価値を置く時代なのではないでしょうか。そして、きっとこれからも、同じように考える人が増えていくのだと思います。今後、世の中にどんな人が増えていくのか。楽しみですね。

 

今日のサシモニ会場

店名:珈琲店トップ 新宿西口店

住所:東京都新宿区西新宿1-9-18 永和ビル B2F

URL:珈琲店トップ 新宿西口店 - 新宿/コーヒー専門店 [食べログ]

感想:新宿駅から近くアクセス良好なのが良い感じです。ただ、残念ながらソフトバンクでは電波が入らなかったです!頑張れソフトバンク!!

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サシモニお相手募集

サシモニのお相手を募集しています!!都内及び神奈川県内であれば、大体どこでも出向いています!!
「記事にされるのはちょっと。。。」という方も、ご安心ください。もちろん、ご本人の承諾があった場合のみ記事にしておりますので、普通にサシで朝食をご一緒するだけで問題なしです。

ちなみに、僕が話を聞いてばかりのような印象をお持ちかもしれませんが、喋る方も大好きなので、出来る限り持っているものは、全てお伝えする所存であります。

「菱木とサシモニしてしてみよう」と思った方は、是非お気軽に下記連絡先までご連絡ください!

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